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会社を辞めて、しばらくお休みしよう…という場合、20歳以上60歳未満の方であれば、国民年金の第3号被保険者にならない限りは、第1号被保険者として国民年金の保険料を納付しなければなりません…
でも、働いていないから収入もない!…なのに、毎月16,000円ほど(2021年度は16,610円)の保険料を払うのは、かなり負担ですよね…。
そんなとき、国民年金の「保険料免除制度」が役立ちます。
今日は国民年金の保険料免除制度をまとめて整理していきます。
試験では、「免除期間が将来の年金額にカウントされるかどうか」「所得基準は、本人の所得をみるか、本人と配偶者の所得までみられるか」という点が問われやすいので、しっかり整理しておきましょう。
まず、国民年金の免除制度には大きく分けて
①法定免除
②申請免除(4種類)
③学生納付特例
④納付猶予
⑤産前産後の免除制度
の5つがあります。
免除制度を活用すると、保険料の負担をおさえられるという点はもちろんですが、将来の年金をもらうために、年金の加入実績をみる「受給資格期間」にカウントしてくれるというメリットもあります。
実際の年金額に反映されるかどうかは、免除によって違ってきます。これはのちほど解説していきます。
<法定免除>
・障害基礎年金を受給している人
・生活保護法の生活扶助を受けている人
…は、保険料が全額免除になります。
法定免除期間は、将来の年金額には、2分の1が反映されます(2009年4月以後の期間)。
<申請免除>
前年の所得が一定額以下の場合、申請して保険料の全部または一部が免除になるものです。
所得の金額によって、4段階の免除があります。
①全額免除
→保険料の全額を免除するよ。
②4分の3免除
→保険料の4分の3を免除するよ、残り4分の1は払ってね。
③半額免除
→保険料の半額を免除するよ、残り半額は払ってね。
④4分の1免除
→保険料の4分の1免除するよ、残り3分の1は払ってね。
なお、所得については、申請者本人だけでなく、申請者の配偶者、世帯主のそれぞれが基準以下でなければなりません。
自分だけ所得がない状態でも、配偶者や世帯主の方に基準以上の収入がある場合は、この申請免除は使えません。
また、将来の年金額には次のように反映されます(すべて2009年4月以後の期間)。
①全額免除
→2分の1
②4分の3免除
→8分の5
③半額免除
→4分の3
④4分の1免除
→8分の7
<学生納付特例>
・大学、短大等に在学する学生
・申請者本人の所得が一定額以下の人
…に該当する方は、申請すれば、国民年金の保険料の納付が猶予されます。
所得は本人のみでOK
学生納付特例期間は、加入実績をみる受給資格期間にはカウントされますが、あとから国民年金の保険料を納付(追納)しなければ、年金額には反映されません。
<納付猶予>
・50歳未満の人
・申請者本人、申請者の配偶者それぞれの所得が一定基準以下の人
…に該当する方は、申請すれば、国民年金の保険料の納付が猶予されます。
納付猶予期間も、学生納付特例と同様、加入実績をみる受給資格期間にはカウントされますが、あとから国民年金の保険料を納付(追納)しなければ、年金額には反映されません。
<産前産後の免除制度>
・出産日が2019年2月1日以降の人
…は、申請すれば、出産予定日または出産日の属する月の前月から4か月間保険料が免除されます。
双子など多胎妊娠の場合は、出産予定日または出産日の属する月の3か月前から6か月間が免除期間です。
産前産後の免除期間は、保険料をあとから追納する必要はありません。
年金額を計算する際、産前産後の免除期間は、保険料納付済期間として扱われるので、全額国民年金の保険料を納めたものとみなされます。
なお、免除や猶予を受けた期間については、10年以内のものであれば、あとから納めることができます。これを追納といいます。
追納しておくと、将来もらう年金額を増やすことができます。