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健康保険で出てくる「標準報酬月額」について

FP

今日は、健康保険のところでちょこちょこと出てくる「標準報酬月額」について、説明したいと思います。

健康保険の保険料は「標準報酬月額×保険料率」で計算し、社員と会社が半分ずつ負担していくものです。

保険料率は、協会けんぽの場合は都道府県ごとに異なり、組合けんぽの場合は組合ごとに異なります。

標準報酬月額とは、この保険料の計算用に月の給与(報酬月額)から決められるものです。

毎月の給与は、必ずしも定額というわけではありません。
基本給は固定でも、残業が多くなれば残業代が増えますし、時給制だったら、働いた時間によって月の給与の額は当然変わりますよね。

ただ、毎月給与が変わるからといって、毎月保険料を計算していくのは大変ですし、支払う保険料の額が毎月コロコロ変わると管理が大変になってしまうので、健康保険(厚生年金保険も同様)の保険料については、報酬月額の枠で標準報酬月額を決めて、計算しやすくしているのです。

<標準報酬月額の等級表>
標準報酬月額は、50等級に分かれています。
報酬月額の枠で、当てはまるところが標準報酬月額となります。

実際の標準報酬月額について、ちょっとだけ抜粋してのせておきますね。

等級 標準報酬月額 報酬月額
58,000円 63,000円未満
68,000円 63,000円以上73,000円未満
20 260,000円 250,000円以上270,000円未満
21 280,000円 270,000円以上290,000円未満
30 500,000円 485,000円以上515,000円未満
31 530,000円 515,000円以上545,000円未満
39 790,000円 770,000円以上810,000円未満
40 830,000円 810,000円以上855,000円未満
49 1,330,000円 1,295,000円以上1,355,000円未満
50 1,390,000円 1,355,000円以上

例えば、報酬月額が261,000円の場合、標準報酬月額は260,000円となります。

この標準報酬月額なのですが、毎年1回会社が手続きをして決めるもので、基本的には1年間固定となります。途中、昇給などで報酬月額が大きく変動した場合は、改定がかかります。

なお、厚生年金は健康保険よりも等級が少なくて、全部で32等級です。

1級88,000円(報酬月額83,000円以上)
~32級650,000円(報酬月額635,000円以上)

となっています。

自分の標準報酬月額はいくらかな?…とちょっと気になりますよね。

ご自身の加入している健康保険の保険者のホームページに、保険料の等級表が
載っていますので、チェックしてみてください。

<高額療養費の自己負担限度額の表をみてみよう>
医療費が高額になる場合、自己負担限度額を超える部分については、高額療養費が支給されます。

その自己負担限度額は、所得区分によって決まるのですが、教科書にこんな表(↓)がのっているかと思います。

◆70歳未満の自己負担限度額

所得区分 自己負担限度額
標準報酬月額83万円以上 252,600円×(総医療費-842,000円)×1%
標準報酬月額53万~79万円 167,400円×(総医療費-558,000円)×1%
標準報酬月額28万~50万円 80,100円×(総医療費-267,000円)×1%
標準報酬月額26万円以下 57,600円
住民税非課税世帯(低所得者) 35,400円

表の所得区分について「79万円と83万円の間、あいていますけど、いいのでしょうか……?」
という質問をいただくことがあります。

先ほどみてもらったとおり、標準報酬月額は等級ごとに、報酬月額によって決まるものです。

先ほどの表のとおり、標準報酬月額79万円の次は83万円ですから、こういう書き方になるのです。

同じように、標準報酬月額50万円の次は53万円、26万円の次は28万円です。

ちなみに、標準報酬月額の等級や高額療養費の自己負担限度額の表の中の1個1個の数字について、すべて覚える必要はないですからね。言葉の意味だけわかるようにしておいてくださいね!