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今回は、労災保険について、絶対ここだけは覚えておきたいという点をまとめておきます。
労災保険とは、働く労働者が、仕事が原因で事故にあってケガをした、病気になってしまった…という場合に、給付が行われるものです。
<労災保険の対象者と保険料>
労災保険は会社が入っているものです。会社で働いている労働者は、労災保険で守られています。労働者ではない、個人事業主などは、原則は労災保険の対象となりません。
労災保険の保険料は、会社がすべて負担しますので、労働者の自己負担はゼロになります。
…ちなみに、健康保険や厚生年金は折半負担でしたね。このあたりは整理しておきましょう。
ただし、特別加入という制度があり、労働者ではない人も労災保険に加入することもできます(特別加入の場合、保険料は特別加入する人が自分で払います)。
<労災保険の給付>
健康保険は、「労災保険の給付の対象とならないもの」が対象になります。
仕事が原因だと労災のお財布から給付が支給され、原因が仕事以外にあるものだと、健康保険のお財布から給付が出るという形になります。
労災による事故の原因は
・業務災害
・複数業務要因災害
・通勤災害
の3種類に分類されます。
そして、業務災害の場合の給付については、次のようなものがあります。
・療養補償給付
労災病院での診察代にあたるもの(基本的に労災は自己負担ゼロ)
・休業補償給付
業務災害が原因でお休みしていて、お給料が出ない期間に出る給付→給付基礎日額の60%が休業4日目から支給(3日間の待期が必要)
・傷病補償年金
傷病等級に該当した場合に出る給付
・障害補償給付
障害が残った場合に出る給付
・介護補償給付
介護が必要になり、介護を受けた場合に出る給付
・遺族補償給付
業務災害が原因で亡くなった労働者の遺族に出る給付
・葬祭料
業務災害が原因で亡くなった労働者の葬式代として葬儀を行う人に出る給付
ちなみに、労災保険は労働者が対象となります。正社員だけが対象というわけではなく、パート、アルバイトの方も労働者となるので、当然労災保険で守られる対象です。
ちょっと余談ですが、学生時代、飲食店でアルバイトをしていたころ、労災を経験したことがありまして…。
洗い終わったグラスをトレーにのせて片付けようと運んでいたところ、ちょうど洗い場の前あたりで、床が濡れていたのか、ツルっと足をすべらせてしまい、盛大に尻もちをついて転んでしまいました。持っていたグラスは全部割れ、破片が手首に刺さり、ケガをしてしまいました。
すぐに病院に連れていってもらい、軽傷で済んだのですが、そのとき治療費はかかりませんでした。
後から店長に聞いたところ、会社で労災申請するから大丈夫だよって言われた記憶があります。
当時は「ロウサイ?? よくわからないけどラッキー!」という感情しか持ちませんでしたが、今思うと、あのとき私は病院で療養補償給付を受けていたんだなーと思うのです。
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